大河原克行の「PCの事はPCに聞け!」

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<<   作成日時 : 2008/03/10 19:05   >>

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第3回 わくわくリビングスペシャルトーク

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 NECパーソナルプロダクツは、3月8日、東京・新宿の体験型ショールーム「NEC・くらし・PC わくわくリビング」において、「第3回わくわくリビングスペシャルトーク」を開催した。
 今回のスペシャルトークは、PC専門のオンラインマガジンとして高い人気を誇り、PCユーザーの情報源としても評価が高いインプレス「PC Watch」の編集長を務める伊達浩二さんをゲストに迎え、「PC Watch編集長が注目するこの春のモバイルPC」をテーマに、NECが発売したばかりのモバイルPC「LaVie J」についてトークを繰り広げた。
 また、このスペシャルトークには欠かせない存在となった、ネットアイドルの鈴木千絵里さんがユーザー代表として参加。参加者と一緒にLaVie Jの魅力を探った。

◆モバイルPCに求められる要素を追求したLaVie J
画像 まず、NECパーソナルプロダクツPC事業本部商品企画本部商品技術部・島貫正治主任がLaVie Jの概要を説明。
 「LaVie Jは、モバイルPCに求められることはなにかを徹底的に考えた商品」と切り出し、「堅牢性、軽さ、薄さ、デザイン、バッテリー駆動時間、機能のどれかを犠牲にするのではなく、すべてにこだわり、完成度の高いモバイルPCを目指した」と、開発にかけた意気込みを語った。
 島貫主任は、発売されたばかりのLaVie Jを、参加者が手にとれるように回覧しながら、「厚さ0.5mmのマグネシウム素材を採用し、軽さは1.2kgを実現している。強さの点では、厚さ29.8mmのボディとし、液晶部分に空間を持たせる構造としたことで、力を吸収することができ、耐圧300Kgfをパスしている。満員電車の中で力が加わっても液晶が割れない耐久性を実現した」とした。
画像 さらに、「美しさにもこだわった。艶やかな光沢を実現したピアノブラック塗装を採用。また、底面もフラットにし、四隅を丸く処理している。これは、モバイルPCに必要とされるカバンへの出し入れを考えた時の使いやすさを考慮したもの。最上位のLJ750/LHには、スクラッチリペアを採用しており、傷が付きにくい塗装としたのも、長い間、きれいな状態で使ってもらえることを目指したもの」と語る。
 加えて、ワイヤレスUSB機能の搭載をはじめとする先進的に機能を実現していることを紹介。「タフ&ビューティを目指したこだわりを持った商品。軽さ、強さ、美しさを実現した先進のモバイルPCである」と強調した。
 PC Watchの伊達編集長は、「Windows Vistaが発売されて1年。Vistaを動作させるPCとして完成された商品。機能的にも過不足ない仕上がり」と評価。鈴木千絵里さんは、「ピアノブラックのカラーが格好いい。LaVie Jならば、スーツにも、カジュアルにも似合いそう。女の子でも持ち運びがしやすいPC」と評価した。
 一方で伊達編集長は、LaVie Jの旧モデルを取り出しながら、「LaVie Jの旧モデルは、このように天板がボンネット構造になっていたが、新モデルは、フラットな天板へと一新した。ここにポイントがある」とし、NEC側にその理由説明を促した。

◆シュっとして見えるデザインを目指した!
画像 そこで登場したのが、デザインを担当したNECデザインプロダクトデザイン1エキスパートデザイナーの河崎圭吾氏。
 いきなり、「私は、家でもマックを使っている。店に行ってWinodwsPCを見ると、どうも買いたくなくなる」と爆弾発言。その理由として、「WindowsPCには、パソコンくささ、物くささがある。それを消したいと思ってデザインしたのがLaVie J。ボンネット構造によって堅牢性の高さを見せつけるだけでパソコンくささが出る。正面のラッチやコネクタ部分の存在もパソコンくささを感じる」とコメント。パソコンくささを解消する手法のひとつとしてフラットな天板を採用したことを明かした。
 河崎氏が、LaVie Jで目指したのは、「シュっとして見える」ということだった。
 首都圏ではあまり聞き慣れない言葉だが、関西では「スマート」、「格好いい」という意味に頻繁に使われる。
 「使われている環境でも、使われていない場面でもシュっとして見えるデザインとはなにか。そのために、黒くて、四角て、それ以外にはなにもない、というデザインを追求した」。
 デザインには、薄く見せるための手法というものがある。側面の色合いをツートンにしたり、前面部分を薄くしたりといったものだ。社内でも、薄く見せるために、そうした改善要望があったという。
 「メーカーとしは、少しでも薄く見せたいという希望がある。だが、それは、あくまでも他社商品との比較でどう見えるか、量販店で展示された時にどう見えるかという観点のもので、生活のなかでどう見えるか、どう使いやすいかといったことを前提としたものではない」と持論を展開する。
 河崎氏は、NECのデザイン工程では異例ともいえるほど、数多くのモックアップを作り、会議でこのデザインの重要性を説いてまわった。
 「ただ、最終的には、『フラットな天板にすれば売れるのか』と言われ、『絶対売れる』と宣言して、このデザイン採用に踏み切った」と、冗談ともとれるエピソードを披露した。

◆意外な?LaVie Jの利用方法
画像 来場者の笑いを誘ったのが、河崎氏が提案したLaVie Jの利用シーンの映像。
 通勤電車のなかで、座りながらPCを利用して、「NECのロゴが強調されず、ピアノブラック塗装が、まるでピアノを弾いているように見える」と紹介したのに続き、ピアノブラック塗装を鏡に見立てて、髪をとかして身だしなみを整えたり、フラット天板のLaVie Jをトレイのようにして、サンドイッチと、飲み物を乗せて移動。さらに、書類にハンコを押すスタンプ台に使用。眠くなったら、29.8mmの高さを利用して枕に使って昼寝もできる、などとしてみせた。
 意外な利用シーンに会場は涌いたが、こうした利用をするかはともかく、河崎氏がPCとしての利用だけでなく、生活全体を意識してデザインしていることが伝わるプレゼンテーションとなった。
 鈴木千絵里さんは、「フラットな天板を見て、ノートの下じきにも使えると思ったが、これは言ってはいけないと思っていた(笑)。しかし、それを越える使い方の提案。それに、河崎さんが説明をしている時に、LaVie Jを小脇に抱えていたが、ピアノブラック塗装がキラっと光って格好よかった。これがシュっとしているという意味かなと思った」とコメント。それを聞いた河崎氏のうれしそうな顔が印象的だった。

◆発熱対策と軽量化のバランスに苦慮
画像 LaVie Jの商品化にあたって、最も苦労したのが、発熱対策と軽量化への取り組みだ。
 LaVie Jに搭載したCPUは、低電圧版Core 2 Duo(1.20GHz)。チップセットにはIntel GM950 Expressを採用している。従来のLaVie Jで搭載していたCPUおよびチップセットが5wであったのに対して、この組み合わせでは9wとなり、発熱量が大幅に増加する。
 島貫氏は、その点について、どう解決したかを説明した。
 「軽量化を実現する上では、ファンを小型化し、その分高速で回転させるのがいい。だが、それではファンの音がうるさい。そこで、大きなファンを使用し、ゆっくりと回すことで冷却することを選んだ。これによって、なるべく静かに、そしてしっかりと冷却し、チップセットの威力を引き出すことに成功した」
 だが、大きなファンとしたことで、重量は5g増えた。キーボードの下部分に穴を開けたり、DVDドライブの天板を無くすことで、1g単位で軽量化の努力を図っている設計陣にとって、冷却部分だけで5gの増加は当初の計画からすれば予想以上のマイナスだ。
 「だが、この5gによって、安心して使える環境を実現できることにつながり、ひいては、シュっとしていることにつながる」と島貫氏は、冷却性能と静音性を優先したこだわりを示した。
 鈴木千絵里さんは、「5gといえば10円玉1枚程度。そこにこんな苦労があったのには驚いた。1gの削減に努力しているエンジニアは大変!」と感動していた。

◆Centrinoプラットフォームはピザ屋と同じ?
画像 続いて、インテルマーケティング本部ダイレクト・マーケティング部コンシューマ・プログラム・マネージャーの梶原武志氏が、モバイルPCだからこそ求められる技術のバランス感覚について説明した。
 「モバイルノートPCは、技術の結晶。携帯性やデザイン、性能とのトレードオフ、性能とバッテリー持続時間のトレードオフというように、シーソー関係にある要件を、バランスよく実現しなければならない。『高性能』、『省電力性能』、『軽量ながらタフであり優れたデザイン』、『ワイヤレスが使える環境の実現』という4つのポイントが優れたノートPCの条件」として、それを実現するCPU、チップセット、ネットワークモジュールで構成されるCentrinoプラットフォームを、ピザ屋を例にして比喩をしてみせた。
 梶原氏は、「CPUはピザを作る人、手早くおいしいピザを作ることが求められる。そして、チップセットは、注文の電話を受け取る人であり、正確に注文をとらなくてはいけない。さらに、ネットワークモジュールは、ピザを配達する人。配達がもたもたすると冷めてしまう。この3つがバランスよく適切に動作することが大切であり、ひとつがいくら高性能でも駄目であり、一つが悪くても駄目」とした。
 島貫氏から指摘された4wの上昇については、「上昇した分だけ、グラフィック部分で、体感できるほどの違いがある。ハイデフの画像処理もスムーズに行える」と、インテル独自のバランスをもとにした決断であることを示した。
 ここで、伊達編集長が「消費電力については、決してインテルは先行していたわけではなかったが、よくここまで方針転換ができた」と、鋭い質問。
 梶原氏は、「以前のピザ屋のシェフは首になった」とジョークを交えて応戦。「モバイルPC向けについては、日本の市場動向を踏まえて、デザインしたもの。その点でも長時間使用ができるような消費電力に対する改善を図っている」と答えた。

◆注目しているこの春のモバイルPCはなにか?
画像 今回のわくわくトークのテーマでもある「春のモバイルPC選び」について、まず伊達編集長が、モバイルPCの定義と、その特殊性について説明した。
 「モバイルPCとは、一般的に12インチ程度のモニターを搭載し、3時間以上のバッテリー駆動時間を持ち、A4サイズのカバンに入れて、持ち運びができるもの。最近では、満員電車での圧力に対する耐久性を持っているものが増えている。この分野は、もともとインテルのCPUには、無いジャンルだった。米国では、自動車で移動することが多いため、2kg以上の重量があっても構わないし、14インチ以上のモニターを搭載したモデルならば、キーボードのピッチを19mm確保できるというメリットもある。つまり、モバイルPCは、日本とその周辺地域にしか求められない商品であり、市場規模は小さい。しかも、最先端の技術や高価な素材を使っているため、どうしても価格が20万円を超える。一般的なノートPCと同列で議論することはできない商品である」とした。
画像 だが、その一方で、「PC Watchのアクセスランキングを見ると、ノートPCに関する記事では、筐体サイズが小さければ小さいほど、アクセス数が多い。また、私のまわりには、一般的なノートPCに名前をつけている人はいないが、モバイルPCには名前をつけている人がいる(笑)。愛着を持って使う人が多い商品である」としたほか、「日本人が日本の市場のために作っているのがモバイルPCであり、世界的なPC需要からすれば、絶滅危惧種ともいえるもの。インテルがモバイルPC向けCPUをもう作らないといえば、それでお終い。だから、みなさんには、次はモバイルノートを買ってほしい」と、冗談を交えながら訴えた。
 ここで、春の注目モバイルノートPCのひとつとして登場したのがMacBook Air。伊達編集長が、テレビCM同様、封筒のなかからMacBook Airを取り出し、会場を涌かせた。
画像 伊達編集長は、「Airは、恵まれたPC。有線LAN端子がない、A4サイズのカバンに入らない、USB端子がひとつというスペックは、大手PCメーカーならば、誰かが反対して、実現しないはず。だが、アップルの場合はCEOであるスティーブ・ジョブズ氏が、これが格好いいから、とひとこと言えば通ってしまう環境にありそうだ。MacBook Airが満員電車で押されても大丈夫なのかということや、出張でホテルの有線LANにつなぐためには別途アダプターを付けなくてはならない、という状況を考えると、決して万能な商品ではない」とし、「MacBook Airはフェラーリと同じ。フェラーリのボンネットのカーブを布で拭くと気持ちがいいとか、車庫を専用で持てるという人にはいい」と位置づけた。
 自らもマックユーザーだという河崎氏は、「アップルは、社長がスーパーデザイナーであり、だからこそここまでのデザインができる。だが、日本の女性がバッグに入れて持ち運ぶには、多くの人が、いま使っているバッグとは違うものを選ばなくてはならない。また、天板はフラットのように見えるが、究極のボンネット構造にしており、また斜めになっている。フラットは大切な要素であり、その点では、LaVie Jの方がシュっとしているのが私の感想」とした。
画像 伊達編集長も、「LaVie Jは、道具としてよくできている。こういう環境では使えないということを言わない商品。また、踏んづけても壊れない。信用できるPCであり、万能性があるのがLaVie J。その点では格好いい。一台しか持てないという状況ならばLaVie J、2台目を持てるというのではあればMacBook Air」とした。
 また、鈴木千絵里さんは、「MacBook Airもシュとしているが、女性が持つと、薄すすぎて、脇から落ちてしまいそう。また、初心者からすると、シンプルすぎて、なにも説明がなく、その結果、高級すぎてわからないという面がある。だが、LaVie Jは持っているだけで安心するデザイン。ぜひ買いたいと思った」とした。
 最後に島貫氏は、「他社もモバイルPCを投入し、切磋琢磨している。世界で一番軽い、世界一薄い、あるいはバッテリー駆動時間が一番長いということはいえないが、使ってもらうと良さがわかる、完成度の高さが我々の自信である」と語った。
 なお、昨年12月からスタートした「わくわくリビングスペシャルトーク」は、ひとまず今回で終了する。NECの最新PCを、NECの開発者が紹介し、それにPC専門誌の編集長や著名ライターが切り込むというトークバトルは、どの回も興味深いものだったといえる。また、こうした機会があることを期待したい。


>> NEC・くらし・PC わくわくリビング
>> 121ware.com「LaVie J」



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▲左から司会の池田さん、鈴木千絵里さん、伊達編集長、NECデザイン 河崎氏、NECパーソナルプロダクツ商品企画担当 島貫氏、インテル株式会社 梶原氏


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